2021年9月22日水曜日

成長に気付くとき 9月22日(水)

 

 5年生の授業です。この日の保健の時間は,自分の成長について考える時間でした。
 『成長』と言われたとき,どんなことを思い浮かべますか?

 子どもたちは担任の先生の指示を聞き,最初に思い浮かべたのは,身長や体に関する,いわゆる『目に見える成長』でした。


 それを受け,担任の先生は『目に見えない成長』についても問いかけました。
 すると子どもたちは,”できるようになったこと”について気付き始めました。

 その時の,思いを巡らせている子どもたちの頭の中には,どんな光景が広がっていたと思いますか?

 きっと,もう一人の自分が自分を見つめています。客観的に自分の姿を分析しています。自分の様子を振り返っています。

 じっくり考えている子どもたちからは,「こんなことできるようになったな。」
…そんな心の声が聞こえてくるようでした。

 
『目に見えない成長』とは言っても,本当に目に見えないわけではありません。行動に移すことで,成長の様子が見えてきます。

 行動や言葉に表せなくても,感じ方や考え方が変化していくことも成長の一つです。
 
 学校では,目に見える成長や頑張りだけでなく,子どもたちの心の成長や頑張り,努力の跡もしっかり見逃さないようにしています。
 また,学校にはじっくり自分自身と向き合い,考える時間があります。
 この日のこの時間も,自分の成長や良さについて気付いたり,認めたりする時間になっています。

 担任の先生が黒板にみんなの考えを書くことによって,新たな気付きが生まれ,友だちの成長についても認め合うことができるのです。

 こういった時間も『自己肯定感』へとつながっていくことを期待しています。






 4年生の教室をのぞくと,机の上にいろいろなものが乗っていました。

 算数の『垂直,平行と四角形』の時間でした。この時間は,単元の後半で,垂直や平行の描き方を使って,平行四辺形や台形を作図していました。
 はじめは,自力で習得したことを生かして作図をしていましたが,途中で作図の仕方を忘れてしまったり,自身がなくなってしまったりした人ができてきました。
 
 そんなとき使えるツールには,教科書やノートもありますが,一番手っ取り早いののは,「せんせーい!」と叫ぶことです。

 担任の先生は,次の手段として,Chromebookを使うことも指示しました。

 そこには作図の仕方がいくつも入っていました。垂直,平行,平行四辺形,台形…。さらには,三角定規と分度器を使って作図する方法,三角定規とコンパスを使って作図する方法と,自分に合った作図の仕方が選べます。                       
 
 子どもたちは目的や,自分の課題解決に合わせた動画を選びます。

 Chromebookは,子どもたちの課題を解決するための大切なツールとなっていることがわかります。



 作図の仕方がわかると,今度は自分の口や言葉,手というツールを使って,友だちに説明しています。素敵なツールだと思います。

 作図をするときに,最初からChromebookを使わせず,まずは自力でやってみてから必要に応じて使うことにしたところは流石だと思いました。なぜなら,なんとか自力でやり遂げようとした人もいたからです。
 手段や方法はたくさんあります。それを,どの場面でどのように使うかといった判断力を身に付けていくことも大切なことだと思います。

 すぐにChromebookを使わなかったことも,その理由の一つだったのではないでしょうか。


 授業中だというのに,6年生が,学校の中や外に散らばっていました。

 廊下の片隅でChromebookを開いている6年生を見つけ,背後に回り込みました。

 手元を見て見ると,校舎の写真がありました。



 6年生に尋ねると,図工で学校の好きなところを写真に撮って,絵に描くのだと丁寧に教えてくれました。

 たまたま見つけた6年生は3階にいました。でも,児童玄関前から撮った写真もありました。

 校舎前の木々の写真もありました。

 中でも一番感心したのが,3階から撮った写真でした。
 同じ被写体でも,見る角度や場所が違えば全く異なる印象を受けます。取り方も上手で,さすが6年生だと思いました。




 教室に戻った6年生を追いかけて,担任の先生の説明を一緒に聞いていました。

 みんな,自分が撮りためた学校の写真を見ていました。





 6年生の図工『大切な風景』という単元の最初の時間でした。学校の中で,自分が好きな場所を写真に撮り,それを絵に表すということでした。

 みんなの見ている画面には,それぞれの思い出の残る場所が切り取れていました。


 写真から,鉄棒を頑張ったこと,保健室でまったりしていたこと,バスケットボールが大好きなこと…そんなことがよくわかりました。

 6年間過ごした校舎には,自分しか知らない思い出がありました。そしてそれを見ることで,6年生の思い出を共有することができた気がします。想像ですが…。 

 次の時間から,絵を描く活動に入っていくと思います。きっと子どもたちは,高栄小学校で過ごした思い出を胸に筆を走らせるのだと思います。

 完成が楽しみです。